全国で愛される“長野おばあちゃんの味”
野々実会 長野路代さん
/飯塚市 /開業歴:28年
主な生産物:ゆずドレッシング、ゆず胡椒、赤とうがらし、こしょうみそなど
純粋な素材から生まれた調味料。素材そのものの品質と特性を知り尽くした長野おばあちゃんが作る、懐かしいおいしさ。
子どもの頃のおいしい思い出を再現
私が出荷している商品は、主に子どものころに母が手作りしてくれた思い出の味を再現して作っています。たとえば「こしょうみそ」には、学校から帰ってくるとおにぎりに塗って炭火で焼いて食べた思い出があります。私が小学生のころはおやつをお店に買いに行く習慣がなかったので、いつも母が畑仕事の前に作り置きをしてくれていたのです。
「こしょうみそ」や「ゆず胡椒」は、秋になるとシイタケの裏側に塗って焼いたりもしていました。
新しい商品の「甘酒こうじ入りの赤とうがらし」は、お客様のお好みに合うようにいかに砂糖を減らして煮物をするかから考えて、日本に昔からある甘酒を使うことを思いつきました。
見た目も味も作りたてのままをお届けしたい
「ゆず胡椒」はこのあたりでは皆さん作られていますが、私がこだわっているのは“どうやってきれいな色を保つか”です。ゆずは擦っている最中から色が変わってきてしまいます。それをお塩を一緒に擦ることで鮮やかさを保つように工夫しています。また、ゆずは光で変色したり皮の中にある油分が酸化して嫌な匂いを発することがありますが、そうしないために擦り終わった後すぐに冷凍保存をして、出荷する直前に胡椒と混ぜ合わせています。こうすることで色が鮮やかになり、豊かな香りが残るのです。塩分の濃さを調整して瓶は凍るけれども中身のゆずはふわふわのまま凍らないようにするのも私のこだわりです。
私のこだわりをこれからも長く愛していただくために
健康第一。私が商品を作るときに大事にしているのはこの一言です。そのため、消毒もしない、草も生えっぱなしの自然なままの畑で作った原料を使っています。安心安全なのが今の時代に合っていると思うのです。また、色や香りといった素材の特性を理解して、それを逃さない製品づくりも心がけています。
先日、20年以上毎月「ゆず胡椒」を注文してくださっているお客様とお会いしました。東京で探しても私が作るような「ゆず胡椒」がないから送ってほしいというお客様もおられます。私が農家をしながらこだわりを持って製品づくりをしていることが、長年お客様からご愛顧いただいている理由ではないかなと感じます。